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相続した不動産の譲渡所得に関するQ&A

  • 文責:所長 税理士 寺井渉
  • 最終更新日:2022年12月13日

取得費については、どのように計算されるのでしょうか?

不動産の譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引くことによって計算されます。

特に、過去に不動産を購入したときの購入費用を取得費として差し引くことにより、不動産の譲渡所得を大きく減じることができる可能性があります。

それでは、相続した不動産については、取得費はどのように計算されるのでしょうか?

先代から不動産を相続した場合、不動産の取得費はそのまま次の世代に引き継がれることとなります。

このため、相続した不動産を売却した場合には、先代がその不動産を取得するのに要した費用を、取得費として差し引くことができます。

相続が複数回発生している場合も同様であり、相続の度に取得費が次の世代に引き継がれることとなります。

ただし、相続人が限定承認した場合は例外です。

限定承認の場合は、相続人は、相続の時点で、その不動産の売却を受けたものとみなされ、譲渡所得の課税がなされることとなります。

先代の取得費についても、相続の時点で、譲渡収入から差し引かれることとなり、次の世代に引き継がれないこととなります。

所有期間については、どのように計算されるのでしょうか?

不動産の譲渡所得の税率は、不動産の所有期間によって変動します。

不動産の所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得の課税がなされ、所得税の税率が30.63%、住民税の税率が9%になります。

不動産の所有期間が5年を超える場合は、長期譲渡所得の課税がなされ、所得税の税率が15.315%、住民税の税率が5%になります。

それでは、不動産を相続した場合には、所有期間はどのように計算されるのでしょうか?

この場合は、先代が所有していた期間と自身が所有していた期間とが合算され、所有期間が計算されることとなります。

相続が複数回発生している場合も同様です。

居住用不動産の特例の適用は、どのようになるのでしょうか?

居住用不動産を売却した場合には、譲渡所得について、3000万円の特別控除を用いることができます。

つまり、譲渡収入から、3000万円もの金額を差し引くことができます。

それでは、相続した不動産については、居住用不動産に該当するかどうかはどのように判断されるのでしょうか?

不動産を取得した相続人が被相続人と同居していた場合には、その不動産は、相続人の居住していた不動産でもありますので、居住用不動産の3000万円の特別控除を用いることができます。

それでは、不動産を取得した相続人が被相続人と同居していなかった場合については、どうでしょうか?

この場合、被相続人が居住していた不動産は、相続人の居住用不動産ではありません。

しかし、被相続人が亡くなったことにより、被相続人が居住していた不動産が空き家になった場合には、以下の要件等を満たすことにより、居住用不動産の3000万円の特別控除を用いることができます。

・ 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること

・ 家屋について区分所有建物登記がなされていないこと

・ 相続の直前に被相続人以外に居住していた人がいなかったこと

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